Towards light
□海底火山、噴火。
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こころはクラーケンの視界に入る目の前に姿を現した。
そして自分の存在を気付かせるように両手を目一杯広げる。
サ「こころちゃん?!」
ル「ししし、加勢する気になったか!…ゴムゴムのー!!」
サ「おい、待てルフィ!!」
ル「…ん?なんだよサンジ!」
サ「様子が…」
クラーケンの目が私の方に向いた。
良かった、覚えてくれているみたい…
ナ「嘘でしょ?」
ウ「お、おい、こんなことって…」
ロ「さっきまであんなに…」
ブ「おとなしく、なってますねぇ…」
クラーケンの額を2,3回撫で、おとなしくなったなと思った時、声が聞こえた。
声というよりも、鳴き声…?
バッと後ろを振り返ると、みんなが私の方を凝視していた。
その時、ふと思い出した。
私、悪魔の実の能力者ってことになっているんだった…
あれ?でも能力者は確かカナズチで…今私、海の中にいる…
どうしよう、ルフィたちならともかく、あの海賊までいる…あいつは根強く残っている私の噂を口に出そうとした…
不味いなぁ、テレポートするわけにはいかないよね。
…息持つかな?
そんな事を考えながら、クラーケンの前に「待て」とするように片手を突き出す。
そして、鳴き声のする方へ出来る限り泳げないふうを装って潜っていく。
ゾ「あいつ泳げんのか?」
ル「本当だー、泳げてるなぁ!あいつ悪魔の実食ったんじゃねーのか?」
サ「…アホか!!よく見ろ、沈んでるだろ!!」
そうサンジが一喝した時、こころがサメに連れられて帰って来た。
ル「サメ…?」
今度はルフィが首をかしげる。
そして助けられたサメは、こころにお礼をするかのように何度も頭を下げた。
ル「…なんだ?」
異変に気付き、ルフィが声をあげた。
サ「海流に引かれてる!」
ゾ「ルフィ、サニー号へ戻るぞ!」
ル「おう!…こころ!戻るぞ!」
そう声をかけた時、こころの口から空気の塊がゴボっと吐き出された。
それを見たルフィはすかさず腕を伸ばして、こころを自分のシャボンの中に引っ張った。
ル「大丈夫か?」
ルフィがこころの背中を叩くと、こころはゴホゴホと咳をした。
「良かった」と3人が安堵したのも束の間、4人はそのまま海流に流されてしまった。