alongside

□ランキング戦
1ページ/4ページ

 
「あ、桃城先輩!と、神原先輩?」


トーナメント表の前を通りかかった1年の4人は、
机に肩肘をついて座っている桃城と、その隣で机に腕枕をして寝ているこころを見て声をかけた。


「寝てる…」

「昨日弟が熱出してその看病をしてたんだとよ」

「…大変ですね」

「え?でも何で神原先輩が看病してたんスか?!普通」

「ほ、堀尾君、家庭の事情かもしれないじゃないか」

「んー?まぁ、そうだなぁ」


桃城は言うか言わまいか迷いながら後ろ頭をかくと、

「こいつん家、父子家庭なんだよ」

と言った。


「「「え?!」」」

「・・・・・」

「ぶ、部活してて大丈夫なんですか?」

「それはこころが大丈夫って言ってるから大丈夫だろ、既に1年経ってるしな」

「そ、そうですね…」


『…?桃?…私、寝てた?』


話声が聞こえて、私は閉じていた目をゆっくりと開ける。

って!

ちょっと…


「おい、越前!」

『え、越前君、顔近いよ』

「・・・・・」

『え、無言?』


もしかしてと思って指で口元を確認しても、よだれは垂れていなかった。

そうこうしているうちに越前君は顔を上げ、スタスタと何事もなかったかのように歩いて行ってしまった。

お馴染みの3人が越前君を追いかけていく。


『え?何?…桃、今の何?!』

「俺に聞かれても分かるわけねぇだろ」

『そりゃそうだけど…』

「(越前のやろう、まさか…)」


まさか、顔になんかついてた?

ハッ、

いや違う。

人の顔見て楽しんでたんだ!絶対そうだ!

くそう、許さん。
 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ