alongside

□凄い人
1ページ/3ページ

 
春うららか。

1年生だった私も、無事2年に進級した。

だからって特に何かが変わる訳でもないんだけど…。


『先輩達もいないし早く帰りたい!』

「お前マネージャーだろ…」

『そうだけどさー!』


私はくるっと体を回転させて桃と向きあい、後向きに歩いて行く。


「前見て歩かねぇと…」

『大丈夫だよ、大丈…ッ!?』


ドンッと背中に人がぶつかる感触がした。

桃は「それ見ろ」という顔をしている。

あー…やっちゃった…


『ごめんね、大丈夫?』

「すまん、こころの不注意で。」

「・・・・・」

『あれ?君達制服が新しいね。あ、1年生だ!』


パンと手を叩いて笑顔を向けるが、
黒髪の男の子は私と桃を睨みつけ、茶髪の男の子はポカーンとしていた。


「こりゃまたずいぶんでかいバッグ持ってんなぁ。」

『ホントー、』


話しかけても1年生は態度を変えない。


「・・・・・」

「お前目つき悪いな。」

『ちょっと!何失礼なこと言ってんの!ほら桃行くよ!』


私と体格が全く違う桃の背中を押して前に進ませる。


「おい、」

『ごめんね、一年生!入学おめでとー!!』


後ろを振り返って手を振るが、2人とも無言でこちらを見ているだけだった。



『今の若い子は可愛くない!』


しかし…、まさかね、テニス部希望だったりして、

なんちゃって!
 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ