Towards light
□インぺルダウン突破
2ページ/3ページ
『ねぇ、ジンベエ、』
ジ「なんじゃ?」
『ルフィって、可笑しな人ね。エースの話よりずっと…』
くすくすとこころは笑っていた。
ボ「なーっはっはっは!ここまでくると、もう敵と呼べる奴はいないわねぇ!」
1「ふん、油断しやがって。アマチュアか?貴様。」
ボ「何よう!?」
1「ここの外には、少なくとも軍艦が十隻はいる。一隻につき海兵は800人。
どういう風に待ちかまえているか分からねぇが、軍艦を一隻奪うってことは、他の軍艦全部を敵に回すって事だ。気を抜いている場合か?」
ボ「…な、なるほどぅ・・・」
ジ「問題はそれだけではない」
『ジンベエ、どういうこと?』
1「なるほどな。言われてみればその通りだ」
ジ「あぁ、じゃがここまで来て立ち止まるわけにはいかん。行けるところまで行くまでじゃ!」
---
先に入り口へとたどり着き、外に出た脱獄者達が見た光景は、
海兵も居なければ、軍艦が一隻もない海だった。
ジ「嘆いている時間はないぞ。この出向は、つい先ほどマゼランから出された指示だ。
よく見ろ!霧の向こうにまだ薄っすらと帆影が見える!」
確かにジンベエが指さす先に帆影が見えた。
しかし、届かない距離に嘆く脱獄者達。
ジ「安心せい!わしがおる!!ここは任せてもらおう!!」
一言言い放つと、ジンベエは扉をはぎ取り、海へと浮かべた。
その扉の上に、こころ、クロコダイル、Mr.1(ダズ・ボーネス)、バギーが乗り込み、出発する。
軍艦に近づくにつれて、大砲が飛んでくる。
ク「見つかったか…」
『クロコダイルさん、私、先に行ってます。』
ク「あ?」
こころが姿を消す。
途端に、騒がしくなる海軍船。
バ「な、なになになに?!」
そして、静かになる。
ク「なんだ?死んだか?」
ジ「甲板に打ち上げるぞ!しっかりつかまれ!」
ジンベエが姿を消し、その事に慌てふためくバギー。
その間にも、また軍艦が騒がしくなり、沈黙を始める。
ジ「魚人柔術、水心。海流、一本背負い!!」
水柱が高く上がって、クロコダイル達が乗っていた扉が打ち上げられる。
そして、甲板へと降り立ったクロコダイル達が見たものは…
『あ、今来られたんですか?』
ク「ああ?」
『向こうと、向こう、片付けておきました。』
にっこり笑うこころ。
確かに両隣りの船に乗っている海兵は倒れていて動かない。
ジ「魚人空手!槍波!!」
水の閃光が走って、海兵が吹っ飛ばされ、ついでに船も破壊される。
『ちょっと、ジンベエ!船を破壊しちゃダメでしょ。』
ジ「おう、うっかりしてた。その船はわしらが使う船じゃった。」
『しっかりしてよね!』とこころは頬を膨らます。
その間にも、クロコダイルとMr.1の攻撃で次々と海兵が海に落とされていく。
「死神人形を狙えー!」
「あいつならいける!」
銃の先がこころへと向けられる。
『誰?あいつって言ったの…、私も軽く見られるようになったの?』
そう言ってこころが睨みつけた先から、海兵がバタバタと倒れ始めた。
ク「覇王色の、覇気か…」
---
「あの船が奪われるのも時間の問題。海軍にとっての大失態だ!今すぐ沈めろ!」
「は!」
「砲撃よーい!!」
そこへ、また水柱が立ち始める。
「あれは、さっきの…」
甲板が水にのみ込まれる。
「しまった!火薬が濡れた!!・・・ジンベエか。」
「他の砲台からあいつを撃てぇ!!」