性格の歪んだ御曹司にスパイスという名の縛りを捧げます。

□ハイスペックなド腹黒魔王様は、書き手さんです。
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―龍華家・庭


春爛漫の季節は、薄紅ピンク色の花弁が空から舞う。日本古来から桜は人々の目に触れられていて、優美なる日本花だと思う。
僕は桜の木を沢山拝める龍華家に足を運んでいた。

理由は…。


「漣さんは春のイメージですね…」


とても四十代の息子を持っているとは思えない女性。
艶やかな黒髪を風に遊ばせ、にこやかな笑みを浮かべて…話す龍華 志龍様。


「そうですか?僕って…春のイメージありますかね?」


「えぇ。まだかまだかと…待ち遠しく龍華家に足を運ぶのは必ずといって春ですから…」

言われてみればそうかも。
僕は春になると、龍華家へ足を運ぶ様になっている。桜の木を拝見したいのもあるけど、やっぱり一番は志龍様が書く小説かな。
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