四十八歳で掘られました

□身長差が物を言う時代のハズ。
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―鳴澤家・ライラックの間


空を見れば、太陽が沈み。辺りは静寂さが漂う闇夜と包まれていた。
出掛けて行った従弟の行き先は龍華 深季の所だろう。
苛々している所を見れば真実でも確かめに行ったのか。しかしながら、本人に酷な話をしてしまうのだろうか。
闇夜に浮かぶ満月を眺め奈篦は息を吐く。


「君が大笑いするのを初めて聞いたよ…」


「自分でも初めてで驚いているわ。あの子の表情見たら、居ても立ってもいれなくって…ついね…」


夕方頃、鳴澤家では奈篦の大笑いが響き渡っていた。
それも盛大な大笑いであった為、世話係が驚いたそうだ。普段から、おしとやかに振る舞っている彼女の印象を遥かに変える出来事だった。
無論、報告を受けた詠清も内心は驚きを隠せないでいる。
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