四十八歳で掘られました

□幽霊と僕、どちらに犯されたいですか?
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【海凰side】


随分と手こらずせるのがお上手の様だ。
龍華家の“龍”である深季様は…

私は、とあるマンションの下から住んでいるであろう場所を見上げていた。
家出をして一ヶ月間、静かに隠れていた様子だが。それも今日で終止符を打つ。


「手間をかけさせるのが相変わらず…得意な深季様だ…」


右手に持っていた資料にライターで火を着けて燃やす。
灰になった紙はパラパラと風に乗り、散って行った。
死んでいる人間なら何時でも祓ってやるが、生身の人間まで引き寄せてしまうのは許せません。悪い虫が付かない様に、慎重な行動を起こしてきた私の苦労が水の泡というもの。

恋愛の一つすらした事ない彼を配慮して、距離を保ってきたつもりですが…

志龍様が命令した以上、私も遠慮するのを止める事にした。
善良な男性を演じるのも結構な疲労困憊で、性に合っていなかったので良い機会ですね。
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