四十八歳で掘られました

□ドス黒すぎて、純白にはなれません。
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―鳴澤家・ライラックの間


「気色悪い…気色悪すぎる…」


辺りに花々が飛んでいる男性を見て、げんなりとした表情で吐く両腕を組んだ男。
『気色悪い』と言われ、何時もなら反感する男性だが、ここ五日ばかり気にしない。実際、気色悪い程の雰囲気を漂わせているのは間違いないだろう。
故に相手が不愉快な気分になっているのも承知している。
上機嫌さを家で漂わせるのは普段から考えたら珍しい方である。だが、上機嫌なのには理由があるのだから仕方ない。
思わず、口元が緩んでしまう自分が居る。

感情をここまで徐にするのは初めてな気がした。家系上の問題で言い寄ってくる輩が鬱陶しいと感じていたが、今なら許せる。
媚を売ってくる輩に対しても愛想笑いじゃなく、爽やかな笑顔で接する事が出来る。
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