性格の歪んだ御曹司にスパイスという名の縛りを捧げます。
□このまま時間が流れるなら…同じ空気吸うのは勘弁です。
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鳴澤 克樹という二回り違う男性が深李自身を構ってくれる。
歯痒く感じながらも心は満たされていた。
「ははっ、いくら…海凰殿でも…」
「超絶残念な親父こと海凰だから有り得るんだよ。アイツ、好きな子は愛執(あいしゆう)の如く苛めたい性質なんだ。今まで、特定の相手を作る気は微塵も無かったけど…しつこいし、厄介だぞ?」
「…へっ」
「あぁ…可哀想だな。漣さん…」
従兄弟の性格を一番理解している深李は哀れむ瞳をした。
興味を抱いた男性は昨日来ていた織 漣で間違いないだろう。海凰自身から漂う甘い雰囲気が深李を確信へ持たせた。
織家の御曹司を好きになるとは思ってもみなかったが、彼の曲がった愛情表現を受け取る側として厳しい現実が待っているのを知らすべきか悩む。
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