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□No.17
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「晶くん、来週からキミの担当変わるからね」



中学の時から俺の担当してた先生がそう言ってきた。



「何で急に……」
「私は来週から他の病院にうつることになったんだ」



だからか。
仕方ないな。



そして一週間後の検診の日。



「……」



瑠衣さんからは聞いてた。



「何だ?元気ねぇな晶」
「まさか矢嶋さんが……」
「俺が担当だから。あ、瑠衣には内緒な?」
「何で?」
「俺が晶の担当医師って瑠衣にバレたら大変だぞ?」



確かに大変かも。



「晶、仕事辞めたのか?」
「ん?あぁ、楓引き取る時の条件だったからな」
「楓?」
「あぁ。俺たちの子供……」
「何ぃー!?お前瑠衣との子供を産んだのか!?」
「……」



はぁ……。
矢嶋さんといい、瑠衣さんといい何でこうなんだ?
俺は男なんだけど。



「あ、冗談だって。なぁ、晶。発作酷くなってないか?」
「少しな……」
「瑠衣に煙草吸わせないようにな」
「?瑠衣さんは煙草吸わねぇぞ?」
「えぇー!?んなわけねぇだろう……ってあ、そうか」
「何?」
「晶は小児喘息も患ってたのか。だからか」
「ん?」
「だから、晶が喘息持ちだから、瑠衣
は晶の前で煙草吸わなかったんだよ」
「ふーん」
「晶。とりあえず薬で様子見てみよう。で、それでも喘息の発作がよくならない時は入院だからな?」



入院ー?
冗談じゃない。



そして診察が終わったあと、矢嶋さんは言ってきた。
今度は楓を連れて来いって。
まぁ別にいいけど。
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