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□No.16
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「ごほっげほっ」



矢嶋さんがうちの会社を辞めて数年後。
俺たちは相変わらず、楽しく暮らしてた。



「咳止まらないね」
「大丈夫っ」
「熱も下がったのにね」



瑠衣さんはそう言う。
この咳は風邪じゃない。
きっと……。
この間言われた。
多分そうだと思う。



「今日病院行くからいい」
「じゃあ、送ってあげるから」
「大丈夫だって!」
「俺が一緒だと何か問題あるの?」
「……ない」



そして俺は瑠衣さんに連れられて病院に向かった。



「喘息の発作だね」
「晶治ったんじゃなかった?」
「あれは、"小児喘息"で今のは"喘息"。つまり以前のは治っても小児喘息を煩ってた人のうち何割かは喘息を再発しちゃうんだよ」
「ね、先生。晶にそれは」
「話したよ。再発の前兆があったからね」
「へー晶知ってたんだね」



何か瑠衣さん、キレかかってる。
ヤバいな。



「とにかく、安静にしてるように」



そう言われて俺たちは病院から、帰ってきたんだけど。



「今日休み取ったから」
「はぁ!?」
「大丈夫!有給使ったし」



いや、そういう問題じゃ。
いきなり有給休暇取るって。



「晶は寝てなよ




そう言って俺は寝室のベッドに押しやられた。

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