境界線


□No.09
1ページ/9ページ

なんだか晶の様子がおかしい。
何がって言われれば、上手く言えないけど。



「晶しようか?」
「今日はそういう気分じゃない」



ほらね。
どうしたんだ?
何かあるなら話してよ。
俺じゃ役不足かな?



「ね、何かあった?」
「……何でだよ?」
「んーなんとなくだよ」



そんなに驚くことかな?
キミとは、何年の付き合いになると思ってるのさ。
でもね?何かあれば話してくれなきゃわからないからね。



「今日はどうする?」
「襲われたくないから帰る」
「襲うってひどいな」
「しないとかいいながら、手だしてきたことあるだろう?」



そんなに睨まなくても。
そんなの可愛いキミが悪いんだし、煽らなきゃいいんだよ?



「淋しいから一緒に寝てよ」



晶はこう言われると弱いんだよね。
俺って卑怯だな。



「仕方ねぇな」
「じゃあおいで?」



俺は晶を呼び寄せ、抱きしめた。
ホント晶の抱きしめるのはいいね。



それから、晶はすぐ眠りについた。



「瑠衣さん……」
「何?」
「あのさ、そんなに抱きし
めないでくれね?苦しいんだけど」
「ヤダー」
「ヤダってあんたは子供かよ!?」
「俺が甘えちゃダメ?」
「あんたは無理言うからほどほどにしてくれない?」



すっかり学習しちゃって。
まぁいいけど。



それからすぐ晶は眠りについた。
昔はよくうなされていたよね。
そう、晶の両親が自殺して退院してすぐの頃は。
まぁ、あんなことがあれば仕方ないか。



あとで知ったけど、晶って俺と寝ると大丈夫だったみたい。
最初らへんは、うなされてたけど。



「うーん……」



あ、ヤバい。
晶の顔つついて起こしちゃ可哀想だね。
でも晶の肌って気持ちいいよね。



「俺も早く寝よう」



俺は晶を抱き枕にして眠りについた。

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ