境界線
□No.08
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瑠衣と俺はクラスメート以外はつき合ってると思われている。
「お前と火山が、つき合ってるなんて身の程を知れよ」
これだよ。
俺は、あとから知ったんだけど、瑠衣って結構人気あるんだな。
「湊ーチューしよう?」
「ヤダ」
「えぇー!?」
「えぇーじゃねぇよ。お前こんなとこでキスしようとか言うなよ」
そうここは、教室前の廊下。
そして、今は休み時間。
「じゃあこっち!」
そう言って俺は瑠衣に、人通りの少ない、南棟に連れて行かれる。
「何?」
「ここなら誰もいないし」
はいはい、そういうことね……。
「勃たせないでね?」
「っ瑠衣こそあんなキスするなよ?」
「それは無理ー、だってキスだけで勃つ湊が、悪いんだし?」
そして瑠衣は、耳元で囁くように呟く。
「勃ったら責任取ってあげるから」
はぁ、今日も午後はサボリ決定か……。
瑠衣はヤリたくなったら、キスして午後サボらせるんだからな。
「湊……」
「わかったよ」
付き合う俺も俺だけどな。