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□No.06
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「明日は沙希の結婚式か……」



俺は1人マンションの部屋でつぶやいていた。
明日、湊と晶くんとも会ってしまう。
きっとまともに晶くんの顔見れないよ。


あきらめなきゃいけないのに……。



「もう寝よう……」



寝ようとすると、携帯がなる。
誰からかなと思ってみると、沙希からだった。
どうしたんだろう?



「もしもし?」
「もしもしお兄ちゃん!」
「沙希、どうしたの?」
「明日、あっちゃんに会えるね?」
「はぁ……」
「どうしたの?」
「どうしたのじゃなくて、晶くんは湊と付き合ってるんだよ?」
「そんなの本当に信じてるの?」
「え?」



沙希?
でも晶くんもそう言ったんだよ。
信じるしかないでしょ?



「あっちゃんが言ったの?矢嶋さんとつき合ってるって!」
「……」



言ってない。
晶くんは湊が言ったのに対して返事してたような感じだったな。



「お兄ちゃん!私は、あっちゃんはお兄ちゃんのことが好きなんだと思うよ」
「沙希。それ言うために電話してきたの?」
「違うよー!お兄ちゃんとあっ
ちゃんと矢嶋さんは同じテーブルだから……」
「え……」
「矢嶋さんなんか気にしないであっちゃんをホテルに連れ去るなり好きにしていいからね!」
「沙希……」
「最後にあまりお兄ちゃんのろのろしてると、とおるさんがあっちゃんを渡さないって言うよ?」



何ソレ。
とおるには関係ないじゃない。
明日晶くんと話しできるかな。
いや、できるかなじゃなくて、しなきゃダメだ。
本当に晶くんが湊を好きなら、諦めもつくしね。



さてと早く寝ないと、明日遅れちゃうね。
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