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□※No.03
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「はぁ……」
「どうしたの?」
「ん?起きたのか?」
「寒いから起きたの」
「昔のことをな……」
「昔ぃー?」
「そっ。何でお前とすることになったんだっけてね……」
「それはあれじゃない。湊が俺がキスしただけで、勃っちゃったからじゃない」



それはそうなんだけどさ……。
俺も素直に抱かれたのはきっとあの頃には……。



「言っとくけどさ、晶くんでさえ俺のキスだけじゃ勃たないからね?」



うるせー!
悪かったなー!!



「でもどうしたの?」
「いや、何で瑠衣とこんな関係になったのかなーって思ってさ」
「それは、うざい会長と俺が、別れたかっただけ。でも、湊があんな嘘信じるとは思わなかったけどねー」
「はい?」



今何つった?
嘘?
何が嘘なんだ?



「俺さ、会長のこと本気じゃなかったんだ。別れる口実が欲しくてね」
「キスして、俺とすることはないだろうがっ!」
「ふふっ湊が断れば、しなかったけどね」



マジかよ!?
つーか、それを言えよっ



「湊。俺としたことがきっかけで両方いけるってわかったん
だし、いいじゃん?」
「いいじゃんって……」



ったくこいつはっ。



「そういやさ、湊さ、仕事何してんの?」



う゛っっ
言いたくないんだけど。



「辞めた」
「え?」
「だから、辞めたんだよ!この間までホストしててさ、ちょっとNo.01の子のお気に入りの女の子をちょろっと、な」
「湊。最低……」
「うるせー」
「どうすんの?」
「しばらくは貯金あるしなんとかなるよ」
「どうにもならないなら言いなよ。飯くらい食べさせてあげるから」
「え、マジ!?」



瑠衣もいいとこあるじゃん!
毎日押しかけようかなー!



「ただし、セックス一回でいいよ」



前言撤回。
ちっともいい奴じゃない。
飯たかる時は気をつけなきゃな。

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