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□No.00
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「おーい!瑠衣」



瑠衣は自分の名前を呼ばれ振り向くと、そこには金髪の男がいた。



「……」
「わかんないか?俺だよ。矢嶋湊(ヤジマミナト)だよ」
「湊?……ずいぶんと……」
「あんなに地味だったのにって?」
「あぁ……」
「瑠衣は先生だよな?」
「よく知ってるな」
「とおるが教えてくれた。お前の話しすると怒ってたけど……」
「ははっ仕方ないよ」
「仕方ないって?」
「うちに来る?」
「行く行くー!」



そう言って、湊は瑠衣のマンションへと向かう。



「相変わらず儲かってんだな」
「まあね。飯どうする?何か頼む?それとも作る?」
「瑠衣の飯食いたいー」



湊はまるで犬のような感じで、瑠衣に言う。
瑠衣は無意識に"彼"と湊を重ねてしまう。



「っ……」
「瑠衣?」
「すぐ作るから、待ってて」



そう言ってキッチンへ向かう。


――瑠衣さん、飯まだー?
ちょっわざとだろう!?
嫌いなら一緒に飯食わない!――

瑠衣の脳裏には、やはり晶のことばかり。



「お待たせーできたよ」
「腹減ってたんだ!瑠衣も食おうぜ」
「そうだね……」
「瑠衣と話すのって何年ぶりだ?」
「最後にあったのは、大学卒業する年じゃなかった?」



瑠衣と湊は食事しながら、昔の話しをしていた。



「瑠衣ーお前相変わらず生徒に手だしてんの?」
「相変わらずって失礼だね……。今はしてないよ」
「今は?」



意味深な言い方が気になった、湊は聞き返してくる。

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