伸ばした手の先。

□ピースサインの誕生日。
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小さく水が跳ねる音に、俺は怯えるように肩を揺らした。歯が寒さだけじゃない震えでガチガチと鳴り煩い。ゆっくりと、ゆっくりと時間をかけて音の方へ視線を移す。

延ばされた手の甲についた赤を、雨が洗い流していた。


「まさ…」

「っ…ま…雅紀、俺ッ」


ここから動いて彼の所に行きたいのに、身体が言う事を聞かない。

雅紀の口が何かを紡ぐ。


「      」







少年は、小さくピースサインを作って倒れた。



















ハッピーバースディ。
生きろよ、柾槻。






fin...

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