伸ばした手の先。

□DISTANCE
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「死に…一番近いのは俺だと思っていた。

お前、言ったじゃねぇか…
俺より先に死なないんじゃなかったのかよ。俺が、俺が逝く時に…」






























俺の事、抱き締めて泣いてくれるんじゃなかったのかよ…




























「神田君ッ大丈夫かい?!」

「コムイか…」


世話しなく羽ばたく蝙蝠のようなそれから青年に聞き慣れた声が響いた。俯いていた顔を上げ、微かに光の戻った瞳でそれを見つめる。


「怪我はないかい?!AKUMAは?」

「ラビが、」

「神田君…?」

「死んだ。」


認めたくない事実が紡がれる。


「そう…



探索部隊をそっちに向かわせたから、神田君…帰っておいで。」

「…解った。」


短く低い声を発して、自分から通信を切る。真正面に飛んでいた蝙蝠はそれっきり黙り森にはまた静寂が戻った。
腕の中で段々と冷えていく体。『行くな』というように抱き締める力を強めて、蝙蝠から流れてきたセリフを頭の中で繰り返した。










―帰っておいで。―









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