BL

□何度目かの恋慕
1ページ/1ページ

今回はもう何度目だろう。
前回は何度目だったろう。
"彼"と出逢い、憧れ、恋い焦がれるのは。

度目かの


突然だが、俺には前世の記憶がある。妄想かと思われる方もいるだろうが、事実だ。
前世は、戦国時代のある国の一村人だった。その前は、大陸の港町で商人をしていた。
なぜか人間にしか生まれ変わっていないのだが、きっと人魂とはそういうものなのだろう。

俺は、何度となく記憶を保持したまま生きてきたので、他人の前世もある程度わかるようになった。

その"他人"の中には、何度も繰り返し出会ってきた者がいた。
それが、青峰っちだった。

前世の彼は村の庄屋。その前は街一番の商売上手だったか。

出会う度に俺は彼に憧れ、慕った。偶に想いが通じることもあったけど、それは極稀だったし、決まってその一ヶ月以内にどちらかが死んでいた。

ああ、神様。
今回の恋慕はいかがでしょうか?
お願いです。
今回だけは、俺達を結んで頂けませんか?

結べないなら、この命だって惜しくない。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ