BL
□儚い満月の夜に
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*帝光時代
*赤司…名前呼び、一人称俺
「すっかり遅くなってしまいましたね……」
「すまない、テツヤ。」
「いえ、大丈夫です。」
とある休日に、俺達は部のために買い出しに来ていた。
まあ、実際は俺がテツヤと二人きりのデートがしたくてテツヤを誘ったのだけれど。テツヤも了承済みでな。
「すいません。今何時ですか?」
腕時計で確認すると、現在6時。真冬だから、真っ暗だ。
「6時…それでは、暗いわけです。」
「これから一度学校に戻る予定だったが、無理そうだな。とりあえず荷物は俺の家に持って帰るよ。」
「いいんですか?赤司くん。」
「このくらいならね。テツヤに持たすわけには行かないよ。まあ涼太あたりなら持って帰らすけどね。」
「赤司くんらしいです。」
たわいのない会話。あっと言う間に過ぎゆく日常。
これの価値をしるのはずっと後だが、ふと、こんな日々を幸せっていうんだなと思った。
少し沈黙があり、空に視線を移すと、儚い満月があった。
俺は、少しテツヤに問題をだしたくなった。
直接のクイズではないがね。
「テツヤ、月がきれいだな。」
そういうと、テツヤは顔を真っ赤にした。
クイズには正解かな。
「なんだか、死んでしまいそうです。」
テツヤの目は軽く潤み、つい、今日は俺の家に泊まれだなんて言ってしまっていた。
儚い満月の夜に
翌日、テツヤが腰を痛めたために練習を休みにしたいだなんて言ったら、真太郎に軽く起こられてしまった。