book

□迷世界5
1ページ/4ページ

シャワーを浴び終え草薙の服を着た悠希はバーの方に戻ってきた


『お風呂、ごちそーさんでした』

「「「...」」」

十「あ、お帰り。ホットミルク入れておいたよ」

『ありがとうございます』

正確には草薙が入れたものだが入れた本人が抗議もできず固まっていた

草「ちょ、ちょお待ちぃ!!え、まさかさっきの子?」

周りの代表するかの如く
一番の疑問を挙げた

『え、あぁはい。』

十「草薙サ〜ン。彼女のこと男の子だと思ってたんでしょ〜」

八「え!?十束さん分かってたんスか??」

草「自分、女の子やったんやな。すまんのぉ」

フードを被っていたとはいえ
女性を男性と見間違えてしまったことに罪悪感がこみ上げた

『いえ、大丈夫ですよ。』

八「つか、女なら女らしい行動しろよな」

1人不服を漏らすものもいたが近くにいる草薙に軽く頭をはたかれる

『女らしい...ってどんな?』

八「すくなくもフツーの女は知らねーとこ連れてこられたら叫び声の1つや2つあげるもんだぜ?」

『へー』

八「へー、って」

草「ほんで、自分家とか分かるんか?」

2人の会話を遮るように草薙が口を挟む

質問の答えだが家などない

幸い「家分かる?」と聞いてくるあたり自分は記憶喪失に近いと認識されてると思う

『いえ...(どーするかな、今からネカフェに行くにはもう高校生は補導される時間だろうし)』

そう言って少しだけうつむき首を横に振った

十「だったら、うちの空き部屋つかいなよ。大丈夫だよね?草薙」

『や、さすがにそこまでしてもらうわけには...』

草「せやけどな、さっきまで傷だらけやった女の子をこんな暗い中外に出すんはこっちも後味悪いんや。」


この後何度も断ったがこの人たちも折れず結局最後に折れたのは悠希の方だった
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ