book
□迷世界2
1ページ/2ページ
.....ッ!!
目を覚ましたそこは薄暗い路地裏
壁にもたれるように座っていた悠希は何時の間にか制服から私服のズボンにパーカーを羽織っていた
『...どこだ?ここ』
あたりを見回しても見知った風景は入ってこない
とにかく立ち上がろうと右手を地面につけると鞄に触れた
『あ、良かった。鞄はあって』
中身を確認するとまず目に入ったのはタッチ式の携帯
『あれー?確か折りたたみ式の携帯だったはずなんだけどなー?』
電源をつけると前と変わりない待ち受けが見られた
が、着信履歴、発信履歴、連絡先、写真などのデータは全てとんでいた
『うっわ、マジかよ。(ガサガサ』
財布はっけ〜ん
いたってシンプルなデザインの財布を開くと元あった金額の100倍はあった
『は?...福沢さんが1、2、3....10人!?人口密度高っ』
あり得ない光景に場違いの発言をした
財布の中身に驚いてると一枚の紙を見つけた
「(神谷です。そちらの世界へは行けましたか?なにも持たずには可哀想だったのである程度のお金は用意しました。悠希様の能力や姿は元に戻っておられると思います。それを生かすも殺すも貴方様次第です。ではまた)」
と書かれた白い紙
『(元の姿?)....ってなんだこれ⁉』
視界の端に入る紅の色
手に触れ、先を辿るとそれが自分の髪だと気づいた
『ちょ、鏡鏡』
鞄から手鏡を取り出した自分の姿を移した
そこには自分を移したにも関わらず髪の色、瞳の色が自分のものとは異なる人物がうつっていた