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□ 秘密の片思い
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 放課後を告げるチャイムが鳴ってから
 早20分経過した


 『遅刻だ』
 よりにもよってこんな日に…
 昨日青峰っちにもあんなに釘指された
 ばっかりだったのに

 「最悪っス…」
 入り口の前まで来たはいいがここから
 中に入る勇気が出ない

 「遅れたっスー、いやー女の子たちに
 囲まれて話してたら遅れちゃったんスよ」
 …あーダメだ昨日使った手が2度も
 通じないし…

 「こういう時…黒子っちなら…」
 きっとこっそり入れば誰にもー

 「それは無理です」
 「黒子っちでもダメなんスか……ん!?」
 声がした横を見るとそこには、
 さっきまで自分の頭に居た人物が。

 「く、黒子っち何時からそこに
 いたんスか?」
 「黄瀬くんがぶつぶつと青峰くん
 に対する言い訳を考え始めた頃から
 …ですかね」

 平然と答えた黒子っちは走り込みの
 後なのだろう汗を流しながらも
 疲れた顔を見せずに俺の隣に座った。


 「…中に入ればいいじゃないですか」
 黒子っちはさらりと言うがそれが
 出来ないから入り口から動けない

 「昨日も遅刻して青峰っちにも
 キツく言われてんスよー」
 へら、っと笑って見たが笑って
 状況は変わらない

 「…わかりました」
 そう言ってたちあがる黒子っち
 に何が分かったのかわからない
 俺は黒子っちを見てるしかなかった

 黒子っちは自然に中に入って
 いった。俺を置いて。



 …え?



 1人残されて振り出しに戻った
 わけだが、黒子っちの言動がすごく
 気になった、
 青峰に言いに言ったのか…それとも
 赤司に…?

 考えたくもない、首をぶるぶる
 振るが黒子がどうするかもわからず
 立ち尽くしていると入り口が開き
 青峰っちが出てきた。


 一瞬言い訳を考えたが途中でやめた
 中途半端な言い訳をしたところで
 自滅するだけだ…

 「青峰っち、ごめ「サンキューな」」

 へ?
 今、お礼言われた?
 遅刻を責められるならまだしも
 お礼を言われることをした覚えがない

 「黒子のこと見ててくれて助かったわ」
 青峰っちはそういいながら黒子っちを
 横に呼んだ。

 「はい。あ、黄瀬くんさっきは
 助かりました、」
 黒子っちは特に表情を変えることも
 なくそう告げた。

 「黒子ももう大丈夫みてえだから
 お前も練習戻れ」
 そう言って青峰っちは練習に戻って行った。
 

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