書物
□.・*・.00 プロローグ.・*・.
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―あぁ、暑い
只今の気温34.2℃。
夏場でも一二を争う猛暑日だ。
こんな中でも人類は毎日毎日この地球で活動している。
ある人は、携帯を弄りながら歩いている。
ある人は、友達と仲良く喋りながら食事をしている。
炎天下にさらされているコンクリートからは熱気が出ており、前後運動している足を熱気で包んでいる。
額や背中からは、大量の汗が流れ落ち制服の中は大洪水になっていた。
あああ…シャワー浴びたいなぁ……
そう思い足に力を入れるものの、足は自分の意思とは反して一向に前後運動を速めてくれない。
しかもだんだん人混みが増えてきており、歩く速度は遅くなってばかりだ。
はぁ…諦めてゆっくり行こう……
足の力を少し緩め、速度を落とした時
ドンッ!! カシャン!!
「「!」」
どうやら、前方から歩いて来ていた人とぶつかってしまったらしい。
「ご、ごめんなさいっ!」
「…大丈夫です。こちらこそすみません」
ぶつかった当初は分からなかったが、声を聞いてよく見ると女性だと分かった。
白い肌、緑がかった長い髪、整った顔
「…あの、なんですか?」
「あっ!い、いえっ!ごめんなさいっ!」
女性をガン見してしまった四葉。
しかし、ここで違和感に気づいた。
いつも目につけている眼鏡が足下にあるのだ。
「まっ、まずいっ!」
「!?」
急いで眼鏡を手にとろうと屈んだ瞬間――
四葉は、とてつもない疲労感に襲われた。
――あぁ、またこの感覚だ
――いつも眼鏡を外すとおこる感覚
――また人に迷惑をかけてしまう
――あぁ
――こんな体質 大嫌いだ
そして、四葉は意識を手放した。
ここから先の記憶は
また話す時が来たら話しましょう――