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□親友っていうのはさ
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「あー…なんであんなこと言っちゃったかなぁー…」


そう言って優樹菜は項垂れた。
そんな優樹菜の前で私は優樹菜の膝の上で笑う莉々菜ちゃんのほっぺをつんつん。


仕事が終わってぶらぶらしていたら突然優樹菜から電話があった。
暇だったらカフェでお茶でもしない?と。

どーせ何かあったんだろうなぁと思ったけど、どうやらフジモンさんと喧嘩しちゃった様子。
まぁ多分喧嘩っていうような喧嘩じゃなくて優樹菜が気にしてるだけだと思うんだけどね。
フジモンさんなら即座に謝るだろうし。


「なーんか仕事もイマイチでさー…当たっちゃったってか…」
「まぁ子育てとか、色々あるしね…」

店員さんが運んできたコーヒーに口をつけると、優樹菜もアイスティーを手にとった。
一口飲むと、ふぅとため息をつく。

「とにかくさ、無理しないでよ」

そう優樹菜に笑いかけると、「ん」と彼女も微笑んだ。
莉々菜ちゃんも「あー」と笑うように優樹菜の髪先にじゃれていた。

「なんかいきなり呼び出してごめんね」
「んーん。久しぶりにゆっくり話したかったし、嬉しかったよ」
「あたしも、最近連絡もまちまちだったからさ。久しぶりにこうやって話せて、嬉しいよ」

にっと優樹菜が笑う。
やはり彼女には笑顔がよく似合う。

「ありがと」

改まってそんな風に言われて、思わず頬が赤くなった。
照れ隠しで頬をかく仕草をする。


「いやー…だってさ、親友ってそういうもんでしょ」

自分で言っておきながら恥ずかしくなるような台詞。
それでもそれが事実なんだからしょうがない。


(「いーこというじゃん」
「でしょ」
「ドヤ顔するなっ」
「あー…」)


fin,
 

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