Real intention
□Consultation
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2話 Consultation
ビビりながらの顔合わせは無事終わった。
監督さんは高野さんのいう通り厳しそうで、なんかもう背中から変な汗が始終出ていた。
今週中に読み合わせと予告のポスター撮りがあるとか。
集まってみて改めて思ったけれど、そうそうたる俳優陣すぎて…七史はあの中でやっていけるんだろうか。
そう思うとまた変な汗が出てくる。
…ハンカチ必須と覚えておかなければ。
部屋を出ると高野さんは手帳を開いた。
「あ、あたしはこの後事務所よってくから…一人で帰れるよね?」
「な、もちろんですよ!
そんな子供じゃないんですから」
冗談冗談と笑う高野さんをジト目で見つめる。
デビュー当時からずっと一緒の高野さんは、たびたびこうして七史を子供扱いする。
思わず口を尖らせた。
「ほらそうやってすぐ拗ねるから子供扱いされるの。とにかく、明日も朝から仕事だからね」
そう言うと高野さんは踵をかえした。
立ち去る後ろ姿がそのままドラマのワンシーンのように様になっている。
そういえば高野さんは昔モデルをやってたって聞いたことがあったな。
そんなことを思っていたら次の瞬間、ガッという音と共に頭に鋭い痛みが走った。
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