■おかしなノリの話

□1onワン
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「何やっているんだ、お前たち」
バスケ部主将の登場に、場の空気が変わる。
練習もしないで体育館の一部に固まっているレギュラーメンバーを叱る権利が赤司にはあった。しかしメンバーの中心にいるものを確認すると、否応なしに表情が緩む。
「これはこれは…涼太の親戚かな?」
「なに言ってんスか!」
「そうだ。どう見ても兄弟なのだよ」
「どれだけ近親者!?」
こんな弟いないっス!と騒ぐ黄瀬の横に犬を並べて、紫原はまじまじと見比べた。
「でも似てるよねー」
「似てますよね」
黒子が深く同意する。
その時、青峰の頭に名案が浮かんだ。
「これもう、ユニフォーム着せたら試合出せるんじゃね?」
笑い声がメンバーから上がり、消える。
「………」
しばしの沈黙の後、メンバーは一斉に動き出した。
「ユニフォームどこだ!?」
「やめてー!」


つづく
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