■おかしなノリの話

□1onワン
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なんか今日、黒子遅くね?
帝光中バスケ部レギュラーメンバーがそんなことを思い始めた頃、ようやく本人が姿を現した。
「…拾いました」
その腕に一匹の犬を抱えて。


1onワン


「なんだそれ」
青峰がメンバーを代表して声をかける。
「ゴールデンレトリーバーか何かだと思うのですが」
「犬種を訊いているのではないのだよ」
黒子と緑間が掛け合う間に犬の傍らにしゃがみこんだ紫原は、金色の体をわしゃわしゃと撫でる。
「カワイーねー」
生来人懐こい質なのか、初対面だというのに犬は千切れんばかりに尻尾を振り、愛想を振り撒く。
ぎりぎり子犬と呼べるサイズの犬は毛並みも良くとても愛らしいが、番犬は勤まりそうにない。
「毛並みは良いけど馬鹿とか…」
黒子、青峰、紫原、緑間の声は綺麗に重なった。
「残念ですね」
「残念だな」
「残念だねー」
「残念なのだよ」
「ちょっ…なんで皆してこっち見るんスか!?」


多分、ワンコの貰い手が見つかるまで続きます。
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