フェアゲーム

□「待て」
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黄瀬に寄りかかったまま、ゆっくり目を開ける。ぼやけた視界に青峰が映る。
「ありがとな、テツ」
汗で張り付いた前髪をそっと掻き分けられる。
「可愛かったっスよ、黒子っち」
黄瀬は自らが外したボタンをつけ直してくれる。
「ま、たまにはこんなんもいいかもな」
「俺らも我慢を覚えないとね」
青峰と黄瀬はいつもの川の字ポジションに落ち着き、各々黒子の頬に挨拶のキスを送った。
「おやすみ」
穏やかに微笑む二人は本当に、たまらなく格好良くて。
自然と想いが口をついた。
「…好きですよ」
言うなり、青峰と黄瀬は横になりかけた中途半端な体勢のままで静止する。
「…あの…?」
どうかしたのか問う前に、黒子はベッドに押し倒された。
「あ…っ」
それぞれに腕を押さえられる。見上げた二人には、完全に火がついていた。
「なん、で…!」
「今のは黒子っちが悪い」
「誘ってるとしか思えねぇ」
無茶苦茶なことを言う二人は止まらない。着たばかりの服を乱される。
「ぁ…や…っ」
潤っていく愛撫を止めることも出来ない。ただされるがまま、二人の熱が自分にも引火するのを感じた。
黒子の眠れない夜は続く。

2013/2/10
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