フェアゲーム

□「待て」
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おやすみなさいの数秒後、当たり前みたいに伸びてきた手を、黒子は拒否した。
「今日は嫌です」
最近の黒子と青峰は黄瀬の家に入り浸っている。ほぼ毎日のように遊びに来ては、週の半分以上、泊まっていっている。そして泊まる度に、黒子は彼らに抱かれていた。
体力の有り余った現役バスケ選手のペースに合わせてなどいられない。黒子の体力は、限界だった。
「一晩で最低二回っスもんね」
「そうだな。俺たちも無理させ過ぎたし、今日はいいぜ」
黄瀬と青峰は爽やかに笑って声を揃えた。
「口で」
「…サイテーです」
少しだけ、二人に抱く思いが揺らぐ。
―――彼らは本当に格好良いか?


おずおずと黄瀬のものに口を付ける。
彼らはずるい。「本当に嫌ならいい」なんて言うのだ。黒子が嫌がることはしたくない、なんて。
優しさは時として強要以上の強制力を持つのだと知った。
「ん…」
羞恥心に目を閉じて、唇で熱を感じる。小さく出した舌で先を舐める。
「口、開けて」
言われるまま口を開けば、入ってきたもので口内がいっぱいになる。
「んっ…ぅ」
苦しい。けれど愛しくて、下から上へ口を滑らせながら吸い上げれば、黄瀬が息を飲む音が聞こえた。
「黒子っち…」
優しく髪を撫でられて、目線を上げる。目が合ったのは一瞬だけで、黄瀬はすぐに顔を背けると目元に手を当てた。
「…ヤバい。すぐイキそうっス」
赤く染まる黄瀬の頬が嬉しい。
黒子が口を離すと、今度は青峰に呼ばれた。
「テツ」
引き寄せられるまま青峰のをくわえる。すでに立ち上がったものに舌を這わせていたら、黄瀬に左手を取られた。
「手だけ、貸して」
黄瀬のものを握らされた上から手を包まれる。一緒に動かされる恥ずかしさにくらくらする。
「んっ…!」
黄瀬に意識を向けていたことを責めるように、青峰に喉の方まで押し込まれた。
苦しさに涙を滲ませながら、目の前のものを育てることだけに集中する。
耳には二つの水音と荒い呼吸の音だけが届く。
「…っく」
やがて黄瀬が小さく呻き、黒子の左手に熱が吐き出された。
黄瀬はティッシュで黒子の手を拭うと視線の高さを合わせて横に座る。
黒子がそちらを向くと、ちゅっと軽いキスがあった。
「ありがと」
黄瀬は笑って黒子の腰に手を回す。脇を撫でる手からはお礼以上の意図を感じた。
「ぁ…っだから、今日は…!」
「分かってる。中には入れないから」
とっさに押し返した手を、優しく握られる。
「触るだけ。ね?」
その笑顔には逆らえない。黒子が手から力を抜くと、黄瀬は黒子の背後に回った。
ボタンを外されるとドキドキする。上着が肩から滑り落ちると、目の前の青峰がぴくりと反応した。
「ん…ぁ…」
後ろから胸を揉まれながら、青峰のものに手を伸ばす。竿に手を沿えて、口内に招き入れる。
「ん…ん、ぅ…んんっ!」
胸の先をぐりぐりと攻められて体が震える。つい離してしまいそうになったものを意識して留めた。
「っは…ぁん、ん…!」
黄瀬は片手を胸に残したまま、もう片方を下げる。下着の中に入り込む手を無視は出来ず、黒子は振り返った。
「きせく…っ」
「大丈夫っスよ」
触るだけ。黄瀬は繰り返して黒子の頬にキスをした。
「ん…」
黄瀬は下肢の潤みを指に絡めると、繁みに埋もれた突起を探った。
「や、んっ!」
強い刺激に体が跳ねる。
「ぁ…なに…?」
黄瀬の腕を掴むも、力は入らない。黄瀬が同じところを撫でる度に体はびくびくと反応を返す。
「あ、あっん、や…!」
胸と同時に弄られれば頭が白くなる。
「テツ」
青峰の手に導かれ、正面に向き直る。唾液と精液で濡れた唇を指でなぞられる。
黒子は求められるまま口を開き、青峰を受け入れた。
「…ん、ぅんっ!ん…っ」
黄瀬の手で追い上げられた体は、口内を犯すものすら快楽に変える。夢中で舌を絡め、吸い上げる。
「っや…!」
突然青峰に強く肩を押される。抗えず離れた横顔に、白濁が飛んだ。
バランスを崩した体を背後の黄瀬に預ける。与えられる快楽に身を任せる。
「あっ、あ…も、だめ…っ!」
黄瀬の胸に頬を寄せて、黒子は全身を震わせた。
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