フェアゲーム

□朝から元気
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二人の行為のインターバルは短い。
「何かおさまりそうにねぇわ。黄瀬、ヤんなら後ろからにして」
「りょーかい」
息を整える間もなく、黄瀬に後ろから抱き起こされる。
「や…なに…」
不安に振り返るも、黄瀬は髪に口付けただけだった。
「ぁ…ああっ!」
黄瀬の上に座らされる形で体を繋げる。抱き締められたまま、下から突き上げられる。
「やっ、ん、あ、ぁあっ!」
不安定な体勢に、がくがくと頭が揺れる。
正面に立った青峰が黒子の髪に手を差し入れ、顔を上げさせた。
「あ…」
「えっろい顔」
閉じられない口の端から唾液が伝う。青峰はそれを舐めとり、唇を重ねた。
「ん、ぅんっ、ん…!」
黒子は青峰の首に腕を回して口付けに応える。
貪り合って唇を離せば、二人の間に銀糸が引いた。
「ヤベー…止まんねぇ」
青峰は黒子の頬に舌を這わしながら、自らの屹立に手をやる。
「…っ」
見せつけられる自慰に顔を背けようとするも、青峰は手を離してはくれない。羞恥に体が熱くなる。
「んああっ!」
黄瀬が羽交い締めにするように黒子を抱く。奥を穿たれて背を反らせれば、青峰に胸を突き出す形になる。
青峰は張り詰めたものを黒子の胸に擦り付けた。
「あ…んっ」
先走りで胸が濡れる。色付く先端の上を青峰のものがぬるぬると滑る度に電流のような快感が走る。
「ぁ…みね…く…っ」
もっと直接的な快感が欲しくなって甘えるように呼べば、固くなった突起を指で弄られた。
「やんんっ!」
開いた口で、舌だけ絡ませるキスをする。
「ん…はぁっ…!」
「っ…テツ…!」
切羽詰まった囁きが落ちて、胸元が熱く濡れる。
青峰が達すると、黄瀬は黒子を抱き直して体を倒した。ベッドに伏せた体勢で、腰だけ上げさせられる。
「あ、ん、あっ、ああっ!」
思うまま揺さぶられるのに、黒子はきつくシーツを握った。


「残り10分!」
黄瀬が携帯を確認して声を上げる。
呼吸するだけで精一杯の黒子には、返答することは出来なかった。
あの後慌ただしくシャワーを浴びて朝食をとって家を出たのだが、やっぱり時間は足りなくなった。
結果、学校までの全力ダッシュという事態になった。
「これはアレだな。アップいらねぇな」
さすが、青峰と黄瀬には笑い合うだけの余裕がある。でも黒子は死にそうだった。
元々体力がない上に、朝から散々消耗させられたのだ。近付く限界に意識が飛びそうだった。
「テツ、大丈夫か?」
「辛い?おんぶしようか?」
「馬鹿、お前にやらせるくらいなら俺がおぶるわ」
「いやいやここは俺が」
「いや、俺が」
「…いいから…走って、ください…!」
学校まであと少し。
無駄に元気な二人はせいぜい、部活で目一杯しごいてもらえば良い。


2013/1/24
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