フェアゲーム

□抜け駆け禁止
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はらりとあわせが解かれる。
外気に晒された肌は寒さを感じるどころか、二人分の視線を感じて熱を帯びる。
「…見ないで、ください…」
赤面して俯けば、二人が息を飲む音が聞こえた。
「…ヤベーわ…」
青峰のキスは、さっきよりも激しかった。舌を絡めながら、青峰は胸を撫でる。
「ん、んっ!」
固くなった先を親指で押されるとびくびくと体が震えた。
「黒子っち、可愛い…」
逆の胸に熱く濡れた感触が与えられる。舌で舐めて吸い上げられるのは指とはまた違った快感を与える。
「んっ…ん、あ…っ」
つい足を擦り合わせると、黄瀬の手が太ももを撫でた。もどかしさに繋いだ手に力を込めると、這い上がった手が服の中に侵入する。
「あっ…や…」
「…すごいっスね」
ふっと黄瀬が笑う。入り口をなぞる指はそこの状態を伝えるようにくちゅくちゅと音を立てた。
「…んっ」
一本指が入り込む。十分過ぎるほど濡れていた中は、痛みを生みはしなかった。
「ん…あっ…!」
沿えるようにしてもう一本指が増やされる。僅かな痛みと、圧迫感が増す。
「どうだ?」
「んー…やっぱキツいっスね」
手を下げた青峰は、黄瀬の指を埋めたままのそこに、自分の指も差し込んだ。
「んあっ…!」
黒子の体が大きく跳ねる。
青峰は中の状態を確認すると、指を抜いた。
「まぁ、なんとかなんだろ」
青峰が体を離すと、黄瀬は黒子の体を後ろから抱いてソファーから下ろした。床に座った黄瀬に上体を預けて、黒子は黄瀬を振り仰ぐ。
「黄瀬…くん…」
優しいキスが額に落とされる。
青峰が黒子の下履きを全て取り去って、足の間に体を入れる。
「…青峰くん…」
不安気に呼べば、青峰はちゅ、と軽いキスをくれた。
「力抜いてろ」
ぐっと押し当てられる熱を感じる。無意識に力んでしまうと、黄瀬が手を握ってくれた。
「大丈夫っスよ。息吐いて」
握り返して、震える息を吐く。合わせて、青峰が一気に体を進めた。
「ああぁっ!」
抉じ開けられる感覚に黒子が泣く。
「ちょっと青峰っち」
「悪い。テツ、大丈夫か?」
濡れた頬を撫でられる。黒子が落ち着くまで、青峰は待ってくれる。
貫かれる痛みは少しずつ霧散していく。全く無い訳ではないが、耐えられないほどではない。
「…はい…」
小さく頷くと、青峰は動きを再開した。
なんとか力を抜こうと努めていると、黄瀬の手が胸を包み込んだ。
「っあ、ん…!」
柔く揉まれながら、目の横にキスされる。
強張りが解けると痛みは消え去り、じわじわと熱を生み出す。
「や、ん…あぁっ、あっ!」
固くなった胸の先を指の腹で捏ね回される。電流のように走る快楽は腰を打ち付ける青峰の動きに合わせて大きくなる。
「あっ、あ、やぁ…っだめ…!」
同時に与えられる刺激は慣れない黒子には強すぎて、あっという間に許容量をいっぱいにした。
「も…イク…っ!」
訴えれば青峰はそれを増長するように激しく奥を攻め立てる。
「ああぁ―――っ!」
耐えきれず喉を反らして、黒子は絶頂に震えた。


「…んっ」
引き抜かれる感覚に意識が戻る。
瞼を上げると、心配そうにこちらを覗き込む黄瀬と目が合った。
「黒子っち、大丈夫?」
「……はい」
息も鼓動も未だ戻らず倦怠感に体は重いが、動けないほどではない。
黒子が頷くと、黄瀬は安心したように笑った。
「良かった。じゃあもうちょっと、頑張って」
「……はい?」
起こそうとした上体を背後から抱きしめられる。振り返れば、にやりと笑う青峰がいた。
「え…」
いつの間にか黄瀬と青峰のポジションが入れ替わっている。ということは。
「待っ…ああっ!」
制止も虚しく今度はこの身に黄瀬の欲望を受け入れさせられる。
落ち着きかけた体にもう一度熱が点されるのを感じながら、黒子は一ヶ月前の自分を思った。
―――二人と付き合うということはどういうことか、ちゃんと良く考えた方がいい。


2013/1/16
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