黄瀬×テツナ(中学時代)

□あかしやきボックス
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「―――というわけだ」
話しながら部室に戻ってきた黒子と青峰は、可哀想な姫を見下ろした。
「事情は大体分かりました。しかしどうして彼は囚われているんですか?」
「黄瀬が、どうしてもテツには見られたくないって言うから」
青峰は真顔で黒子を見る。
「どうしてもテツには見せなきゃいけないと思って」
「ああ、想定通りの外道っぷりですね」
お望みとあらば。
黒子は黄瀬の正面にしゃがみ込み、改めてその姿を目に焼き付けた。
白雪のような肌に薄く色付く頬。ただでさえ長い睫毛に覆われた瞳は、視線に怯えてうるうると煌めいている。
黄瀬のメイク技術の高さは身を持って実感している。更に黄瀬はモデルだ。自分の魅せ方くらい、百も承知なのだろう。
そこにいるのはまるで絵本の中から抜け出たような、完璧な『お姫様』だった。
あまりにも綺麗で、可愛くて。
―――正直、イラっとした。
「なんか、私までヤキ入れたくなってきました」
「おう、やってやれ」
青峰に背中を押され、黒子は黄瀬の頬に手を伸ばす。子猫のように震える彼に対して湧いて出た笑みは、多分悪人のそれに近かった。
魔王に囚われた姫を救い出す勇者には、なれそうもない。


fin 2013/1/19

これ、黄瀬総受って表記した方が良いのですかね…。

フリリク『女装した黄瀬にイラっとする黒子』でした。
…すみません。良く見たら『女装した黄瀬に拗ねる黒子を宥める黄瀬』でした。全然違うじゃないか。
拗ねませんでした。イラっとしました。可愛くない黒子ですみません…。
イラっとする気持ちは良く分かります。が、黄瀬が喋らないのは少しでも自分を認識させまいという最後の抵抗です。きっと。

キク様、リクエストありがとうございました!
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