黄瀬×テツナ(中学時代)

□口論の真ん中
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「俺の方が好きっス!」
「私の方が好きです」
「もうホントなんなのお前ら…」


口論の真ん中


熱く語り合う黄瀬と黒子を左右に従え、青峰はため息を吐いた。
「俺、練習行っていいか…?」
「駄目っス!青峰っちはここにいて」
勝手にやっていてくれれば良いのに。黄瀬は去ろうとする青峰をわざわざ引き留め、また黒子に向き合った。
「俺がどうしてバスケ部に入ったのか、知ってるっスよね」
「私が誰の影になろうとマネージャー業に徹しているか、分かっていますよね」
だから、と。
「絶対俺の方が好きっス!」
「私の方が好きです」
二人の声は綺麗に重なった。
「青峰っちが!」
「青峰くんが!」
「…勘弁してくれ…」
青峰は再度、深くため息を吐いた。
心から馬鹿だと思った。
本人を前にして愛を叫び合う二人と、そんな二人に対して「お前らなんか嫌いだ」と、突っぱねることが出来ない自分自身が。


fin 2012/10/26

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