*短編*

□Winter warm proposal
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ブーブーブー…

仕事帰り、真田の携帯が震えた。
画面に映し出された名前をみた瞬間、真田は顔をしかめた。
別に着信相手が嫌いというわけでは一切ないのだが、着信相手がどんな要件で、なぜこんな時に連絡をしてきたのかが用意に分かってしまった事に顔をしかめたのだった。

(おそらく、良い話ではないのだろう)

真田は黙ったまま着信を繋いだ

「お仕事お疲れ様です、真田君」

「よく分かったな」

「仁王君ならお聞きしましたから。」

「…そうか」

二人の間には一瞬の沈黙が訪れ

「なんとなく察してるとは思いますが、仁王君のことです。」

「っ!仁王がどうしたっ!」

仁王の名前を出した途端に焦り出す真田

「落ち着いてください、大丈夫です。」

そんな真田を宥めながら話し出す柳生

「仁王君は、少々風邪をこじらせまして、明日の外出は少し無理があるとの、病院の判断です。」

「…それ、だけか…?」

「えぇ、ですから心配ありませんよ。」

「…柳生、明日…見舞いに「その事ですが、仁王君はしんないから来なくていいと、仰ってました。」

真田の言葉を遮り、押し通すように話す柳生

「いや…だが「仁王くんが、貴方に風邪を移すと大変だから、と」

柳生の気迫に押し黙る真田

「柳生」

静かに柳生の名を呼び

「何でしょう。」

「…本当の事を、話してくれないか。」

その言葉に柳生は驚きを覚えると同時に、真田には誤魔化しは効かないと判断し

「….分かりました、やはり貴方に詐欺は通用しませんね。」

「それで、仁王は」

「対した事ないのは確かです、ただ、昨夜発作が起き倒れまして、それでうちの病院に」

「発作が…」

「仁王君は貴方に会えないと分かってから、あからさまに落ち込んでます。でも、弱った姿を貴方に見られたくないという理由から、素直になれないみたいで」

「そうか…….柳生、明日行っても、いいか?」

「…仁王君に怒られますね。何時頃になります?」

「すまないな。そんだな…」


「分かりました。それでは」


柳生は着信を切り溜息をつく

「ほんと、どこまでもバカップルなんですね。」

真田が歩き出すのを車内から確認し柳生も車を走らせた


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