*短編*

□冬花火
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to.雅治

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23時にいつものとこで

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「23時にって…なにするんよ。」

呆れたように溜息をつき学校へ向かった


(22時18分…そろそろ出んとな)

「姉貴、ちょい出てくるわ」

「どこ行くん?こんな夜に」

「あー、景吾に…」

「あー、なるほどな♪ん、分かったわ」

姉貴は俺たちの関係を知っている。
知った上で、応援してくれている、ほんとに感謝しとる

「じゃ、行ってくるわ」

「いってらっさーい」



22時52分

to.雅治

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すまねぇ、先行っててくれ

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「はぁ…、寒いんに、仕方なか王様じゃね」

白い息を吐き、少し悲しそうにある場所へ向かった

ある場所とは、展望峡だった


「流石に、この時期は誰もおらんね」

時刻は23時をゆうに超えていて、明日を迎えようとしていた

「景吾、何したいん?」

そう呟いた途端

ヒュー……バーンッ!!

「!! …花火?」

夜空に咲く一面の花火

「きれい…でも、なしてこの時期に?しかもこんな夜中」

しばらく花火に見惚れていると

「気に入ったか?」

「っ!景吾っ!!」

「俺様が用意した」

そこには仁王の恋人である、跡部景吾がいた

「なして?」

「今日はなんの日だ」

「なんのって…、日吉の誕生日?」

仁王は本気だった

「馬鹿、時計見ろ」

「え?」

時刻は、0時2分

「今は12月4日、お前の誕生日だ、雅治」

「誕生日…て、じゃあ、これ」

「プレゼントだ、気に入ったか」

仁王は目を見開き跡部の方へ歩み寄り

「あんがと、嬉しかっ」

跡部に抱きつき、幸せそうに微笑み

「愛してるぜ雅治、今年も俺様がお前を幸せにしてやる」

「ん、分かっとぉ」


2人の影は、冬の花火によって雪上に鮮やかに写し出された


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