*短編*
□ふざけたような生き方してる奴ほど、案外真面目で良い奴が多い法則
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「てかさ、仁王って以外と良い奴だよね」
「え…?」
部長のこの一言から仁王の悪夢は始まった。
「あー、分かるわ。人の事馬鹿にするけど、本気で傷つくような事は言わないよなぁ」
「わかめわかめって言われるけど、時々お菓子くれたり、勉強教えてっていったら、わざわざ家まで来てくれたっす!」
「詐欺をするとき、必ず…
"大丈夫か?無理しとらん?"
と、終始訪ねてきてくださいますしね。」
「いつもは、ぶん太と赤也と、三人で俺の事散々雑に扱ってきやがるけど、たまに一人で俺のとこに来て、
"お前さんも大変じゃの、ほい、いつものお詫びと、お礼"
とか言って、菓子とかくれるんだよな」
「データ整理に没頭している時にさりげなく珈琲や緑茶などを置いといてくれるな。それに時間も告げてくれる。」
「俺がイライラしている時なんかに、
"さーなだ♪眉間のシワ、直しんしゃい?後輩たちが怯えとる"
などとさりげなく言って気を紛らわしてくれたりする事もたびたびあったな…かたじけない。」
「ね?そうでしょ?」
「だから後輩から人気あんのか」
「俺、仁王先輩大好きっす!」
「仁王君は基本的に優しいんですよ」
「あぁ、皆知ってるだろ」
「気遣い上手だからな」
「詐欺と多少の悪戯はご愛嬌、と言うわけだな」
「ぁ…あのさ、お前さんら」
「ぁ、仁王顔真っ赤、かわいー」
「ごめんなさい、謝るからもうやめて…」
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