*短編*
□寝る子は育つ?
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〜♪
突然、けたたましくケータイの着信音が鳴り響く
「ん…なん…?」
寝ぼけながら応答する
「ぁ、やっと出やがった!」
電話の相手はクラスメイトであり、部活仲間、そしてなによりも、恋人である丸井ぶん太からであった
「ぶんちゃん…」
「お前なぁ、いくら冬が近いからってこれはダメだろぃ」
心底呆れた声で言われ、あーまた朝練起きれんかったか、などとまだ冴えない頭でぼんやり考えてみせるが、次の言葉で一気に目覚めることとなった
「朝練までならともかく、今昼だぜぃ?」
え?昼?なんのこと…
たく、毎時間電話掛けてやってたのに…などと言う言葉はすでに仁王の頭には入っておらず
「昼っ!?」
「うぉっ…!なんだよ、急に叫ぶなよ」
うっそ、ありえん、びっくりじゃ…
え、昼? なして? 電話気付かんかった?
「…っおい、仁王?…仁王っ!!」
「え、あ…すまん、聞いとらんかった…」
「はぁ…お前今日は休んどけよ、幸村君には俺から言っとく」
「ん、すまん…あんがと」
「おう、じゃあな」
ピッ…
通話が切れてから改めて気づく、仲間たちからの着信の数々
「なんか、申し訳なかね…」
と同時に、愛されてるなぁ、と感じ、一人一人に返事を返した
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