*短編*
□さよなら、またね
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side仁王
「あぁ、そっか」
昼休み、思い出したようにぶん太が声をあげた
「なん?」
「今って、受験だったな」
当たり前の事を言ってはいるが、確かに、付属中である立海にはほぼ無関係な話
「俺らやって、一応試験はあるんよ?」
「まぁ、たしかに」
「外部受けるやつは別じゃろうけど?」
「外部…ぁ、そういえば柳生、どうすんの?」
「柳生は外部受けんてさ、立海の理数に進むらしいっちゃ」
柳生は外部を辞めた、外部を受けるのは一人だけ
「理数か、俺は普通科かなぁ」
受験ねぇ、実感ないのぅ
「お前、どこ進むんだよぃ?」
俺? 俺は…
「おん、俺は…」
話そうとしたその時
『三年B組、仁王職員室担任のとこまで来なさい』
「すまんの、ぶんちゃん、呼ばれたけいくわ」
「お前何したんだよ馬鹿」
俺はその返事に笑ってごまかした
あぁ、また言いそびれた
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