*短編*

□籠の鳥
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仁王独白


皆は、うちの人生聞いたら、気の毒って思うかもしれん

かわいそうって思うかもしれん

けど、そんな事ないんよ、そんな事なかったんよ

わっちは、幸せでありんした



うちは、ものごころついた時からここにいた

周りには女ばかり

客は男ばかり

それが、普通



うちは外をしらん

まぁ、今更知りたいとも思わんけど


それでも、幸せじゃったよ

やって、姐さんがたおったし

かわいい禿、後輩やっておった

ご飯も美味しかったし

お客さん達んことも好きじゃった

店主様にも可愛がられたし

不自由、せんかったよ

ぇ?身請け?


あぁ、あったねー

うちは全部断ったけど

なしてって、うちはここで咲き続けるんが宿命て、決めてたから


うちはまだ、二十七やけど


ほんま、幸せじゃったよ



今だって、ほら

皆きてくれた

泣かんで?

悲しくなかから

うちはちょっと心の臓が弱かっただけ

もっと皆とおりたかったけど


ありがとう、皆に出逢えて、うちは幸せでありんした


−−

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