*長編*
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「亜久津さん、お久しぶりでありんす」
雅は嬉しそうに微笑み亜久津を招いた。
「届いたか?」
「はい、綺麗な柄で…ありがとうございんした。」
亜久津のたった一言の意を読み取り、雅は丁寧に礼を述べる。
「喋り方。」
「…久しぶりなんじゃけ、ちょっとくらいよかろ?新鮮で。」
「うるせぇ」
「全く…あ、お酒飲むじゃろ?」
返事を聞く前に雅は紅華を呼び、酒を持ってくるように伝える。
「今の、紅華か?」
「そうじゃよ?なに言うとんの?いっつも見とるじゃろ?」
「変わったな、お前に似てきた」
「うちに?」
亜久津は薄く微笑を浮かべ、雅を手招きする。
「なん?」
「老けたな。」
亜久津は雅の顎に手を添え顔を上に向かせるとそう吐き。
「な、酷い!」
「冗談だ。」
可笑しそうに喉の奥で笑い雅に口付けをした。
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