*長編*
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最後のお客様(幸村×仁王)
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「雅」
「幸村さん!」
町中に、夜の帳が下り始めた夕刻、雅の元に最後とお客がきた
「ふふ、遅くなっちゃったけど、間に合って良かった。」
そう言い、柔らかく微笑みながら雅を抱きしめる幸村
「お忙しいんでありんしょうに、来て下さって」
「ふふ、本当は来る気なかったんだ、時間が作れなくてね」
幸村は申し訳そうに話出し
「でもさっき俺の仕事場に跡部が来てね」
「跡部さん?」
「あぁ、雅の誕生日くらい、顔出してやれって言って、仕事代わってもらっちゃった」
と少し苦笑いを零しながら話し
「ふふ、跡部さんらしいの」
「うん、そのおかげで会いにこれたよ、雅」
嬉しそうに微笑み、雅を包み込むように抱きしめる
「あー、久しぶりの雅の匂い、癒されるね」
雅を抱きしめながら、少し親父くさい発言をする幸村に
「なん?少し合わん間にだいぶ老けたんじゃなか?」
と、茶化すように話す雅
「最近あんまり寝れてないからね、老けたかも」
「大丈夫なん?」
雅は幸村の頬に手を添え、心配そうに見上げる
「大丈夫だよ、今日雅にも会えたし、頑張れそうだよ」
幸村は雅に、触れるだけの口づけをし
「せっかくの誕生日なのに、今日贈り物を持ってこられなかったんだ、ごめんね?」
「そんなこと気にせんでよか、会いに来てくれただけで嬉しいぜよ」
「ありがと、俺も雅に会えてほんと良かった。」
雅と幸村は顔を見合わせて笑いあった
(君の笑顔が見れただけでホッとしたよ、また来るから、その時はまた微笑んで見せてね。)
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