*長編*
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午前三時、遊女達は仕事が終わり眠りにつく。
雅も例外ではないのだが、今夜はもう一人客がいるようで。
「雅姐様…」
「紅華?どないしたん?入ってきぃ」
紅華は頭を下げたままおずおずと中へ入ってきた。
「なん?」
「あ…あの…」
はずかしそうに目を伏せ、言いずらそうに口ごもる。
「どうしたん?はっきり言いんしゃい」
「えっと…姐様、明日誕生日だから…今日、一緒に寝てもいいっすか?」
不安そうに雅をみつめ
「もちろんじゃ、ええよ」
そう言うと紅華は花が咲いたように笑顔を浮かべ雅に抱きついた
「やった♪明日は多分おめでとうって言える暇ないと思って…姐様、誕生日、おめでとうございます♪」
「ん、あんがと、紅華」
二人は仲良く布団の中へ入り、雅は紅華を抱きしめながら眠りについた。
(姐さま、誕生日おめでとうっす!大好きっす!!)
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