*長編*
□冬、恋、誓い。
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12月4日、俺の誕生日…な、わけなんじゃけど、風邪ひいた…というわけで、仕方なくある奴に連絡をとった。
「もしもし?どうしたの?」
「幸村ぁ〜…」
「仁王?どうしたの?ぁ、誕生日おめでとう」
「あー、ん…あんがと、でな、風邪ひいた…熱、ある」
「はぁ?馬鹿なの?」
「すまん…」
ちゅうか、病人に向かって馬鹿って、幸村…
「どうすんの?」
「学校は行く、じゃけど、部活休んでよか…?」
「はぁ…分かったよ。あんまり無理しちゃダメだよ?」
「おん…」
通話を切り、もう一度布団の中に潜り込む
はぁ…、ぶん太ごめんなさい、朝一で行けんで…
できれば朝一で、ぶん太の顔見たかったぜよ、して祝ってもらいたかったなり…
「最悪…」
教室付いたら1番にぶん太んとこ行こ、そう思ってたんに…
「仁王くーん♪今日誕生日なんでしょー?」
めんどくさっ!
そうじゃった!俺に誕プレくれるやつおるんやった!うわぁ….
「おん、すまんの、もらってよかの?」
「もちろん!受け取ってーうちらの気持ちだから!」
うちらの気持ちだからって、重た…
キーンコーンカーンコーン…
嘘じゃろ!?
チャイムなってもうたぜよ、この女共っ!
急いでぶん太とこにっ…
「ぶん太、おはよ」
「ぁ、おぉ」
……あれ?
なんも言うてくれんの?
「仁王?どうかしたか?」
「ぁ、ううん…」
忘れとる?
いや、そんなことなかね、今日0時にメールきとったし!
そのあとも休み時間の度に誰かしらが俺んとこにきたけ、ぶん太と話せんかった…
部活の時間になって、やっとぶん太と話せる思ってたんに、ぶん太ぜんぜん話にきてくれんし…
それに気付いた赤也が気にして俺んとこに来てくれて、….はぁ、嫌われた?
今日は家族で俺の誕生日祝ってくれるらしいけ、部活終わったら早よ帰らんと、と考えてたら
「なぁ仁王、今日帰りさ…」
「ぁ、すまんぶん太、今日は早よ帰らんといけんのよ、じゃけ…」
「なんなのお前?」
「え…?」
なん?怒らせた?
てか、話まだ終わってなかのに…
「ぶん太?」「丸井先輩?」
いつもより低い声、明らかに怒ってる…
幸村と赤也も不思議そうにこっちを見てる
「せっかく俺が祝ってやろうとしてんのにことわんの?ふざけんなよ!」
え?祝ってくれるん?
でもなんで今更!意味わからんよ…
「ほんとは朝一で祝おうと思ってたのにお前こねぇし!?教室きたらきたで女に囲まれてるし、お前も嬉しそうにヘラヘラしてるし!」
「ちょっ、ぶん太…!」
朝一、やっぱ無理してでも行けばよかったぜよ、ごめんぶん太…
「お前も少しは察しろよな!考えろよ馬鹿っ!部活の時だって赤也とずっと一緒に嫌がるし!!なに?!俺に祝われたくないわけ?なら勝手にしろよっ!!」
え?…なんで?
なんで俺がケーキ投げられなあかんの?俺が悪いん?
俺じゃってお前に祝ってもらいたかったぜよ!
「仁王っ!!」
「先輩っ大丈夫っすか?!」
「丸井貴様!たわけがっ!」
「おいぶん太、なにしてんだよ!」
やばい、熱のせいかの…ぼーっとしててなんも考えられん…
…頭、ガンガンするぜよ…
「別れようぜ、じゃあな」
ちょっと…待ちんしゃい、馬鹿…
"別れる"って、なんね…
ぶん太が部室を出て行った、
もう、最悪………
俺はそこで意識を手放した
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