*長編*

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「さて、現場報告もしたし、とりあえず酒だな」

「ふふ、はい、分かったでありんす」

"紅華"と呼ぶと、雅の禿である紅華が現れ、雅はお酒を持ってくるように伝える

「ふーん?」

「?なんでありんすの?」

「いや、あの紅華が、中々成長したんじゃねぇの」

「当たり前じゃろ、うちが育てたんじゃから」

と、少し拗ねたように話す雅

「ははっ、すまねぇな」

跡部は雅を見つめ

「?」

「お前も、少し見ねぇ間にかなり綺麗になった」

「阿保じゃね、変わっとらんよ、疲れとるん?」

とおかしそうに笑う雅

「あーん?お前、俺様が褒めてやってんのになんだよその憎まれ口は」

「なん?うち口説かれてたん?」

と茶化すように笑い

「たくっ…」

「嘘じゃよ、あんがと」

「最初からそうやって素直に受け止めやがれ」

と、二人が談笑していると

「雅姐様、お酒を持ってきたでありんす」

「お入り」

紅華が酒を持って中へはいり、丁寧に二人ぶん注いでいく

「紅華、おつまみは?」

「ただいま用意してるでありんす」

「ん、頼みんした」

紅華は一礼し座敷を出ていき

「なんか似てきたな、お前に」

「紅華でありんすか? そうでありんしょうか?」

「あぁ」

「ふふ…、まぁ、お酒でも飲んでくんなまし、昨日入ったばっかでありんすよ?」

「ふっ…、お前のその言葉遣い、たまに聞くのも悪くねぇな」

そう言い終えると、跡部は酒を口にし、雅を抱き寄せ、再び口付けをした



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