短編2

□混ざり合う吐息
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恋人がせっかく初めて家に遊びに来たって言うんに、なんなん?
腹立つなぁ、流石参謀じゃの。
はぁ、仕方なか…

「参謀、かまって」

読書に励んでいる恋人、柳に後ろから抱きつく仁王。

「なんだ、今日はずいぶんと甘えてくるな。」

「当たり前じゃ。せっかく彼氏の部屋きとんのに…」

だが柳は本からめを離さずに黙々と読書に勤しんでいる。

「………ムカつく。」

仁王は柳を振り向かせるべく行動に出た。

「参謀…かまって…」

仁王は柳の首元に顔を埋め甘えるように擦り寄り、時々舌を這わした。
が、それでも柳は仁王に見向きさえせず。

「なぁ参謀…」

だんだんと淋しくなってきた仁王は更に柳に抱きつき行為をエスカレートさせるもが柳は無視をし続ける。

「っ……」

くそ。腹立つ。なんなん?ほんに腹立つ。
俺だけを見んしゃい、俺だけを見ててくんしゃい!

「参謀…俺を構え…」

仁王は強引に柳の前に入り深く長い口付けをした。

「んっ…ふぁ……」

唇を離した後には、二人の間に銀の糸が引き、仁王は柳を切なそうに見つめた。

「参謀…」

「全く、仕方の無いやつだ。」

そう言うと柳は仁王を抱えそのままベッドへ押し倒した。

「誘ったのはお前だからな。」

仁王は喉の奥で笑い、更に誘うように柳の首へ腕を回した。


「やっと、俺だけを見てくれたの。」



二つの吐息が混ざりあう。


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