*短編*
□仲間がいるから
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朝、教室に入ると途端に感じる視線
(またか…)
ヒソヒソ…
『仁王だぜ』
『また取られたやついるらしいぜ?』
『マジ?今月何人目だよ、あいつに女取られた奴』
(下らん、何で俺が女寝取らんといけんの?俺はフっただじゃし)
心の中に負の感情が溜まっていく
(落ち着け、こんなんに一々反応してちゃキリないぜよ…)
「っ…」
「オオーッス!」
ストレスが頂点に達し感情を爆発させる寸前、赤い髪の救世主が現れた
「ぶん…太…」
「おぉ。 はよ、ハル」
瞬く間に、今まで溜まっていた負の感情が治まっていくのを感じ、同時に安心感に包まれた
「あんがと、ぶんちゃん」
「遅くなってメンゴ、あんな奴ら、気にすんなよハル。」
周りに不審に思われない程度に近づいて耳打ちをする
「お前がそんな奴じゃねえって、俺たちが知ってる、だから安心してろぃ」
「ん、あんがと」
俺は、幸せもんじゃな
どんなに辛くても、どんなに疎外されても…
信じてくれる仲間がおるけ、怖くない。
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