星の蝶〜ハオ〜
□軋み征く歯車の音
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パチパチ……
静寂。
焚き火の火の粉が散る音だけが響く静寂。
焚き火のすぐ近くに一人の少年と少女。
その二人を取り囲む様に並ぶ者たち。
世界から切り離された様な静寂。
その中、少年が口を開き、話す。
「もうすぐ、始まる……
やっと……やっと、君の願いを叶える事が出来るよ…アカル」
少年は隣に居る少女の肩を抱き寄せる。
少女は
『うん。ハオ……
期待……してる……
でも、無茶はやめてよ?』
少女、アカルは自分を抱き寄せる少年、ハオに不安そうな、
だけど何処か確信を込めた目で彼をみる。
少年は自分の腕の中に収まっている愛しい娘を安心させる様に
「大丈夫さ……アカル。
君は何も不安がることは無いんだ。
僕に身を委ねて?」
優しく、耳もとに呟く。
二人を優しく見守る家臣たち。
星も彼らを見ているーーー