NOVEL01

□可愛い背中
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その日自宅の部屋の掃除をしていたら、引き出しから裸のまま無造作にしまわれたSDカードを見つけた。何か入れていたかとパソコンに入れてみると、数十枚の画像のファイルだけが入っている。五年近く前の日付だった。
何だっただろうとミスタは首を傾げて、プレビューしてみる。
出てきた下手くそな写真を見て思い出した。デジタルカメラを初めて買って、嬉しくて撮ったものだ。写真が嫌いなフーゴが逃げていくピンぼけした細っこい後ろ姿。当時の部屋の様子。トリッシュに会いに行った時のもの…。
あぁもっと早くに自分用のカメラを買っておけば、ブチャラティ達の写真も残っていたかなぁと顔をしかめ。懐かしさに浸りながら掃除そっちのけでパッパッと写真を切り替える。
むやみにフラッシュをたいて陰影を失ったジョルノが出てきた。
興味なさげにすましたふかん。撮られるのが嫌なのか恥ずかしいのか表情がかたい。
額や首や胸元が今見るとどう見ても子供に見え、それが態度と相まっていかにもシャイな少年然として微笑ましく、ミスタの口元は思わず綻んだ。
その後も下を向いて顔を隠してしまったジョルノや、俺の足元、セルフタイマーの失敗などが続く。
中盤に差し掛かって、ミスタは写真を繰る手を止めた。
薄暗い画面上に不自然にフラッシュで浮かび上がらせた白い背中、ベッドに伏せた頭。写真作品としてはひどいものだった。
若気の至りか、ベッドの中でも撮ったらしい。惚れた弱みにつけこんだのか、そういえばそんなことをした記憶がある。
せめて決して顔を見せまいと枕を抱いて顔を今隠しているジョルノが可愛くて仕方がなかったものだ。

ミスタはニヤニヤと笑った。


「何を笑ってるんですかミスタ…下品ですよ」

ジョルノは熱い息を吐いている。
ミスタの骨ばった指を四本くわえ込み。じっとりと汗ばんで、ミスタがもたもたとじらすので、珍しくせかすように体をよじらせた。
この景色だけで生娘なら孕んでしまいそうだとミスタは思う。
長い巻き毛のブロンドがシーツに広がって、骨と喉仏がぼこりと浮いた首より顔が小さいのではとすら思う、正確には随分測っていないが、190はあるだろう長く大きい骨格にはりついたしなやかな筋肉の起伏。性欲を抜きにしても、同性として単純に憧れるものがあった。彫刻のようだ。
脇毛も陰毛も、そこからわずかに続く腹部への薄い金色も美しくセクシーだ。

「は…っ」

指を引くと、アナルがビクビクと締め付けて、ジョルノが息を飲んだ。激しい刺激ではないものの、ゆるいものを抜かれる瞬間の甘い反応。指が熱かった。何度かゆっくりと繰り返してやる。

「くっ…んっ…ん…」
「いい男だなぁと思ったんだよ。かなわねぇなぁまったく。次は背中を見せてくれよ」

完全に指を抜くとジョルノがため息をついてころりと体の向きを変える。長い足を開いて、腰を持ち上げる。自分から照準を合わせ挿入を促すような生々しい動作だった。

「ふんふん。可愛いケツじゃねーの。悪い子はキスしちゃうぜー。」
「…ん…はやく…してください…」
「へーへー」

ジョルノが上体をよじってミスタのペニスを見た。ちゅる。と当たってそれだけで解れたそこ挿りそうになる。ジョルノは肘で倒立するように頭をベッドに押し付けた。

「…ん…はぁあっ」

ミスタがそのまま腰を押し付けてやると、ジョルノがいやいやをするようにかぶりを振って掠れた声を出した。興奮を高める為の無意識の演技的な動き。低い音域にぞくりとする。

ジョルノの中は熱くてぐずぐずしていて、小刻みにぴくぴく締め付けてくる。

「ふーっ…あーきもちいー…ジョルノは?」
「…っ…は、はい…」
「きもちいーですか?ボス?」
「…気持ちいいで…んっ…ん」

ゆるゆると腰を振ってやるとジョルノの腰も自然と揺れた。挿入された瞬間が、一番嬉しそうに震えている。
でも最近少し緩いかもしれないな。ヤりすぎかなぁ。それもこれもジョルノが毎晩俺を部屋に呼ぶからなんだぜ。嬉しいけど。ミスタは口をとがらせた。
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