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□ごろごろ通信
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オイラはデイダラ。
季節は冬。
時刻は昼。
INオイラの部屋。
withサソリの旦那。



「ぬくいー。」


「でーだらじゃま。ふとんからでろ。べっどからおりろ。まげ。」


「いや、ここオイラの部屋だから。旦那ひらがな分かりにくい。そして髷って。」


「あーうん。でーだらじゃま。おちろ。じごくに。」


「え、」


多分、サソリの旦那はそうとうボケてる。
夏場のボケは多いらしいけどまさかの冬ボケ。


「でーだらのふとんあったかい。ぬくぬく。」


ヤバい、旦那可愛い!
抱き締めたい!


「…お前、体温高いのな。」


「あ、戻った。」


「子供体温か?」


「な、違うよ!!うん!!」


「ヤバい、暖かい…。デイダラ、やっぱ布団から出るな。出たら殺す!!」


「う!!」


オイラのベッドは小さいし、いくら小柄のオイラと旦那でも、かなりの密着で、正直苦しい。

でも…旦那可愛い!!うん!!


だがこの時間…
そろそろ呼び出しがかかるんじゃないか、うん。


「デイダラさーん、昼食ですよー。」


ドアの向こうからは鬼鮫の旦那の声。


やっぱりきたか…


旦那とのこの密着度…
たまらん!!
でも昼食はここを逃すと食べられない!!


「旦那ー、メシだって。うん。」


「俺には食べ物など必要ない。」


あ、そうだ。
旦那は傀儡だった。


…背に腹は変えられない!!


「旦那、オイラメシ食ってくるぞ、うん!!」


「………。」


その縋るような目はやめてくれ…うん!!


「…………」


「うっ……」



***

ああ…
こうなる気はしてましたよ、うん。


今はリビングへの廊下道。
で、オイラの背中には旦那。


「よし、お前も話が分かるようになったな、デイダラ。昔はヒルコの尾を眼球スレスレまで追い当てても俺に刃向かってきてたのに、今じゃ何も言わなくともいうこときいてくれて…」


「………」


あれは精神攻撃だよな、旦那。
でも、歩くごとにオイラの頬に触れる旦那の柔らかい髪。


…おいしいかもしれない…。


ガチャリと鈍い音をたて、リビングへの扉を開く。


「デイダラさん遅かったですね…、と、サソリさん?」


「お!?サソリちゃん昼時に来るなんて珍しいな!!しかもデイダラちゃんの背中に…」


「いやー、旦那がオイラと離れたくn「こいつ暖かいんだよ」…。」


ちなみに今日のメシは白米!!
…と煮物。


「デイダラせんぱーい!!煮物と白米混ぜちゃいましょう!!」


「おい、トビテメェッ!!オイラ混ぜご飯嫌いだって知ってんだろ!うん!」


「うるさい。」


「うっ、」


旦那に後ろから首を締められた。


「いいから座れ。」


旦那を膝に乗せて白米を食べる…
食べれない…


「旦那、悪いんだけど少し降りてくれない?ちょっと…」


ちらりと旦那の方を見やる。
…顔が少し赤い。


「旦…」


旦那が箸を持つ。
箸を持つ右手が微かに震える…

「デイダラ、」


ずいっ


旦那に箸を口に突っ込まれる。

「……、だ、旦那…」


「く、食えないなら、食わせてやる…バカダラ…」


斜め上に目を向け、目を泳がせる旦那。
可愛い…


「っていうかサソリちゃん傀儡だろ?寒さとか感じないんじゃね?」


飛段の一言に周りの空気が凍った。


「え、旦那…?」


「あ、やべ」


飛段が口を抑える。


旦那はと言うとあ、とかう、とか声を出している。


顔をのぞき込むと旦那は顔を赤らめオイラの膝から降りようとする。


オイラは旦那の腰を包み込もうとするけれど、旦那はそれからすり抜ける。


「旦那!」


旦那は扉まで駆け寄る。
扉を背に向け、俯いていた顔を上げる。


「…デイダラと一緒にいたかった、っていうか……」


「う、うん。」


「ただ、人の温もりに触れたかった、というか…」


旦那には両親の辛い過去があるのは知っている。
人の温もりに触れたいというのも分かる。うん。


「ただ、ただ…ただ、で、デイダラと、一緒に、いたかっただけだよ!!バカァ!!」


旦那は扉の向こうに走っていった。


「バカップルだなー、デイダラちゃんよぉ。」


「う、うるさいぞ、うん。」


今晩は、旦那とぬくぬくしようと思う。




キミとぬくまりたい



ぬくぬく通信




かんな様に捧げます。
2013.01.27+珠理


駄文もうしわけないです…
苦情や書き直しはかんな様のみ受け付けます。


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